大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和40(テ)51 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人津島宗康の上告理由について。

原判決が認定判示したところによれば、本件仮処分決定は、上告人の賃借権に基

づく本件各建物に対する占有を被上告人が妨害する一切の行為を禁止する旨のもの

であるところ、右仮処分申請人たる上告人が本案訴訟として被上告人に対し提起し

た右各建物の賃借権存在確認の訴は、第一、二審ともに上告人の賃借権存在の主張

が理由ないものとしてその請求が棄却され、しかも、右第一、二審判決の理由説示

から推せば、右第二審判決が上告審で破棄される虞れはないものと認められるとい

うのである。そして、本案につき右の如き第一、二審判決がなされたことをもつて、

民訴法七五六条により準用される同法七四七条にいわゆる事情の変更が本件仮処分

につき生じたものとして、同条による仮処分の取消申立を認容した原審の判断は、

前掲認定判示の事実関係のもとで肯認できて、右認定判断に関し所論違法は見当ら

ない。

従つて、右違法を前提とする違憲の論旨は、すでに前提を欠き判断の余地がない。

また、論旨は、本件のごとく、本案訴訟につき上告審の裁判を経ないうちに仮処

分の取消ができるということになれば、上告人としては、事実上本案訴訟につき第

三審の裁判を受ける権利を奪われたことになるから、この意味からも原判決は憲法

三二条に違反するというが、本件占有妨害禁止の仮処分が取り消されたからといつ

て、その本案たる賃借権存在確認訴訟につき第三審の裁判を受ける権利を上告人か

ら奪うことにはならないのであるから、右違憲の論旨は、前提を欠き、判断の余地

がない。

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その余の論旨は、原判決につき単なる法令違反をいうにすぎないものと解せられ

る。

以上のとおり、論旨はすべて、民訴法四〇九条ノ二第二項所定の特別上告の理由

があるとは認められないから、同法四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条を適

用の上、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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